平成27年度活動報告

 

移動研修 DIC川村記念美術館と水郷佐原歴史探訪 レポート

 

 国内及び近隣の史跡、施設等の見学により会員の周辺地域に関する知識・知見の向上を目的に以下の通り移動研修を実施しました。
日時 :平成27年7月1日(水)

視察先:DIC川村記念美術館、水郷佐原の町並みと伊能忠敬記念館探訪

参加者: 35名

概要 :江戸の面影を残す、香取市佐原 小野川沿いの古い町並みと伊能忠敬旧宅を訪れ、ホテル日航成田でのビュッフェでランチ。昼食後は近代美術コレクションでは日本でも有数の規模を誇る、佐倉市のDIC川村記念美術館で、展示作品に応じて大きさや意匠を変えて設計された展示空間「絵の住処(住みか)ー作品が暮らす11の部屋ー」をテーマに、レンブラント、モネ、シャガール、ルノアール等103点の作品を中心に美術鑑賞をしました。

 

 以下に参加者の 横野 晴雄 さんに書いて頂いた感想文に写真を添えて、当日のレポートといたします。 

 

移動研修 参加感想文                         

              横野 晴雄

 

 7月1日、大網白里市国際交流協会の移動研修に参加しました。

毎回、興味のあるところを訪れるので楽しみにしており、私は3回目の参加です。

 今回の訪問は江戸の面影を残し“小江戸”と呼ばれた香取市佐原にある「伊能忠敬記念館」と佐倉市郊外に山里の地形を生かし、広大な庭園の中に建つ「DIC川村記念美術館」です。

 午前8時、参加者35名が市のバスを利用させていただき、アリーナ前を出発。出発時、あいにくの雨でしたが、東関東自動車道で佐原に着くころには幸運にも雨は小止みに。 

 まずは利根川の舟運で栄え、江戸にも負けない”お江戸まさり”と言われ、今も江戸時代末期から明治・大正時代に建てられた町家や土蔵、洋館が立ち並ぶ小野川沿いの街並みを歩いて「伊能忠敬記念館」を訪れました。

 伊能忠敬は現在の九十九里町に生まれ、佐原伊能家の婿養子となり、家業の酒造りを大いに繁盛させ49歳で隠居、仕事を続けながら関心のあった天文や暦学を本格的に学ぼうと 50歳で江戸に出ました。

 記念館で目を引いたのはやはり、忠敬が55歳から71歳の時、足かけ17年10回にわたり、日本全国を歩いて測量し作成した、わが国最初の実測日本地図(大図、中図、小図)「大日本沿岸興地全図」です。忠敬は自分の歩数と間縄、鉄鎖を物差とし、夜は緯度・経度を求める重い天体観測機器を使いながら海岸沿いを測量したとのことですから驚くとともに頭が下がります。

 忠敬作成のこの地図、現在の日本全国地図と重ねてみると南北はほぼ正確ですが、東西は少し縮まっているようです。これは当時、緯度に比べ経度は計測が難しく、現在とは少し誤差が生じたからです。 

 また、西日本が東日本よりかなり詳しく描かれているのは、当初、忠敬は私財を投じ自費で東日本の測量を始めましたが、後に幕府に認められ幕府直轄の事業となり、西日本の測量では人、予算も増え、測量先の藩の協力も得られたからです。(・・・と、館のガイドさんからの詳しい説明で知り勉強になりました・・・。)

 

 昼食はバスで少し戻って成田空港そばの「ホテル日航」。量も種類も(値段の割には・・・)申し分ないバイキングに皆さん、会話を弾ませながら楽しみました。ここのデザートのソフトクリーム、自分でカップのアイスクリームを抽出機に入れ、コーンの上に絞り出すタイプ・・・。やり方が分からず、無理に力を入れ、もう少しで抽出機を壊しそうになる人も・・・。(今度、トライしてみてください。)

 

 午後は近代美術のコレクションとしては日本有数の規模を持つ「DIC川村記念美術館」を訪れました。川村記念美術館というとレンブラントのイメージでしたが、モネ、ルノワールといったインプレショニズムの作品、ピカソ、シャガールの西洋近代画、アメリカのロスコ、ルイスのモダン抽象画そして等伯、大観といった日本固有の屏風絵なども幅広く展示されていることを知りました。

 館のエントランㇲ前には(ガラクタのような)金属を寄せ集めて造った巨大なオブジェがあり、これが5億円の作品と後から聞き、ビックリ。

 さて、お目当てのレンブラントはある人物の肖像画1枚だけでしたが、他の絵画とは別にレンブラントの部屋に展示されていました。描かれている人物の顔や衣服に左上から本当に光が当たっているように見える描き方に、一体どのように絵具を使っているのだろうとしばらくじっと見ていました。

館のガイドさんの説明によると、この絵はもともと人物の横に彼の奥さんが並んで描かれていましたが、絵は二つに切り分けられ、彼女は今、ニューヨークの美術館に展示されているとのこと。そして数年前、ニューヨークの絵がここ川村美術館に来て数カ月でしたが一緒に並んだそうです。そう聞いて、改めて絵を見てみると、この男性(30歳くらい)心なし寂しそうな顔にも見えます。(私の印象ですが・・・。)

 

 いつも、美術館にいるのは1時間弱の駆け足でしたが、今回は館のガイドさんの詳しい説明で2時間たっぷり絵画を鑑賞でき、皆さん満足していました。

 天気が今一つ良くなく、白鳥が遊ぶ湖の周りや野外彫刻が点在する緑豊かな広い庭園を散策することはできませんでしたが、館内ギフトショプで当館お薦めのビスケットとサーディン缶(ビールのつまみに)を買い川村記念美術館を後にしました。

 

 最後になりますが、今回の移動研修を企画、実施にご尽力いただきました役員の皆様、大変ありがとうございました。お陰さまで有意義な一日を過ごすことができました。次回の移動研修を楽しみにするとともに、皆様の益々のご活躍と大網白里市国際交流協会の今後のご発展をお祈りいたします。