平成30年度移動研修報告

研修委員会 中國健二郎

 7月4日(水)、当国際交流協会恒例の移動研修が実施されました。台風7号は日本海を北上し、曇天ながら風雨の影響もなく、天候には恵まれて当日を迎えました。

 移動研修は、国際交流協会会員としての見識を広めるとともに協会会員相互の親睦を図るため毎年行われています。そして、今回は茨城県筑波研究学園都市にある筑波宇宙センターと牛久市の浄土真宗東本願寺の牛久大仏を研修視察先とし訪れました。

 参加者30名が集合時間を守り、予定通り定刻の午前8時にアリーナを出発して、一路最初の研修先である筑波宇宙センターに向かいました。 

筑波宇宙センターは、アメリカの米国宇宙局(NASA)に相当する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙センターとして1972年に開設され現在約2000人の職員が日夜宇宙開発に取り組んでいるとのことでした。ほぼ予定通り10時20分頃宇宙センターに到着し、所内ツアーガイドの始まる前受付を済ませ、展示館「スペース・ドーム」を見学。ドームでは歴代人工衛星の展示のほか国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟のモックアップ、「こうのとり」の実物大模型、燃焼実験に実際に使用されたH型ロケットの本物のLE-7,

LE-5エンジンなどが展示され、白黒テレビで見た糸川教授の懐かしいペンシルロケット(実物サイズ)からH-II型までのロケットの変遷が分かりやすく展示してありました。中でも、「きぼう」の大きさに驚きました。

 センター内ガイド付きツアーでは、先ず宇宙服を見学しました。宇宙服はそれ自体が生命維持装置を備えた小さな宇宙船で、相当重いとは思いましたが重量120キロあります。しかし無重力とはいえ質量は120キロもあるので動作は容易ではないなと感じます。センター内紹介ビデオを見た後、「きぼう」運用管制室を見学、管制官が24時間体勢で監視している臨場感あふれる現場を見学し、続いて宇宙飛行士養成エリアを見学しました。ここでは、宇宙飛行士の適正試験や基礎訓練が行われ、因みに前回の宇宙飛行士選抜では903名の応募者から10名選抜され最終選考に選ばれたのは、航空自衛隊パイロット、全日空(ANA)パイロット、海上自衛隊医官の3名だったという難関でした。宇宙飛行士にとって大切な資質は英語ができ、何よりも協調性と強靭な精神力が必要なことが訓練や施設から窺えました。

 約1時間10分センター内見学を終え、日本の最先端科学に触れて筑波宇宙センターを後にして昼食会場に向かいました。日程的に遅い昼食になりましたが、美味しい筑波ポーク朴葉陶板焼きに舌鼓をうち、次の視察先牛久大仏に向かいました。

 牛久大仏は浄土真宗東本願寺派本山東本願寺の本尊阿弥陀如来の世界一大きい人型ブロンズ建造物で、ニューヨークの「自由の女神」(銅板像)の3倍だとのことです。京都の東本願寺がなぜ常陸なのかといえば、宗祖親鸞聖人がこの地で立宗し縁が深いということでした。


 とにかく高さ120メートルもあり、巨大でしかも極楽浄土への来迎(らいごう)を表現するように前に倒れそうな前傾姿勢なので、三途の川(?)を「南無阿弥陀仏」と唱えてわたり正面進入路から近づくと、古代中国杞の人が、天が落ちてきたらどうしようと憂いたという故事(杞憂)のように、大仏が前に倒れ込んできたらどうしようと一瞬本能的にたじろいでしまったのは私だけだったでしょうか。

 仏像とは言え鉄骨構造の近代建築で、中に入ると煩悩を表現する真っ暗闇に閉じ込められたあとの無量寿の光に迎えられるといういささか臭い「演出」があり、大仏の胸部の80メートルのところまでエレベーターで上りました。あいにく、強い風のためか大気が濁り視程が悪く、高さの割には眺望が平凡に感じました。少し、宗教に関心があったので東本願寺の本尊が釈迦牟尼如来ではなく、阿弥陀如来であることが興味深かった。

阿弥陀とは大乗仏教の多分想像上の仏で、東本願寺派にとっては釈迦より偉い仏の極尊であり、「南無阿弥陀仏」と称念しているのようです。

「南無」とは命を懸けて、あるいは一生帰依しますという意味の梵語の漢字音写です。この大仏は胎内に仏を有料で永代供養されますが、その阿弥陀如来像は大小カネ次第で露骨な差があり、無量寿の光もカネ次第だな、と正直実感しながら初夏の落日を背に大仏を後にしました。

 移動中はバスの中で、田村会長が会員を楽しませようと脳トレクイズを連発して楽しませました。余談ですが、会長が大仏の巻き毛「螺髪(らほつ)」をマニアックな部門のクイズにしようとしていましたが、豈図らんや大仏への通路上に螺髪の実物が堂々と展示してあり、目ざとく見つけた会員に直ぐに答えられてしまいました。また、小山田監事の歌の独唱独演有り、終始和やかな雰囲気の中、全員無事に定刻6時頃にアリーナに到着しました。古内副会長兼研修委員長の視察先・昼食会場選定、緻密な日程、 当日のきめ細やかで鮮やか且つやさしい会員追廻しによってタイトなスケジュールをスムーズに消化して長く楽しい移動研修を終了しました。

 

 ご参加の役員及び教育委員会主任技師角田様、会員の皆様、お疲れさまでした。     

                              以上